GranDuo Kamiyamacho
説明
- 敷地はNHK放送センターに近接した「奥渋谷」(オクシブ)と呼ばれるエリアの中心にあり、個性的で洗練された雰囲気の漂うショップやカフェが点在している。そのため、放送関連のスタジオオフィスや大型飲食店などあらゆるテナントニーズに応えるべく、梁下3m以上の空間を地下1階~地上2階で敷地目一杯に展開させた。
- 3階から6階の上層部は日影規制の影響で絞られたシンプルな正形平面となり、フロア貸しが可能なオフィス空間を計画した。この上層部は基壇部とは少し角度の振れた形状で積み重なり、視覚的に変化のあるボリューム形態を生んでいる。
- 基壇部は前面の商店街の賑わいに大きく開くよう、構造体であるフレームをそのまま表現し、クラシカルで凛々しいいで立ちとしている。規格外の大判タイル、エッジの効いた大開口の額縁サッシ、海外メーカーの照明などを採用し、繊細で風格ある基壇フレームのデザインを探求した。
- エントランス・アプローチは平面的に必要最小限で計画し、そのデザイン的脆弱性を補うため、フレームを2層吹抜けさせて、デザイン性の高い海外メーカーの大型ペンダント照明を設えた。奥行のあるアプローチはフラットパネル状の扉壁面、ルーバー天井をモノトーンな色調で統一し、ライン照明や折上天井による間接照明を多用することで、閉塞感や暗さを感じさせないデザインとしている。
- 基壇部から切り替わる3階ルーフテラスには屋上緑化が設けられ、上階から緑地を見下ろせる計画とした。建築物で密集したドライな周辺環境から僅かながらでもオアシスを感じられる様な配慮をしている。
- 上層部はコンクリート打放しとカーテンウォールで構成し、基壇部と対比するようモノトーンなテクスチャを用いてデザイン的にバランスをとっている。カーテンウォールは基壇部と同様のエッジを効かせたディテールを採用しており、層間パネルを黒くすることで締りのあるクールなガラスファサードを表現し、基壇部とのデザイン的な対比をより強めた。