N-flat中目黒

建築主は当地で生まれ育ち、長年酒屋を営まれていたが、世代が代わり、三世代の家族が暮らすオーナー住戸2戸と賃貸住居11戸で構成された共同住宅の建替えを計画された。
計画のテーマは、オーナー住戸と賃貸住戸の動線計画と、周辺環境との調和であるが、計画地周辺の街区は近年、同様の世代交代によって建て替えが進み、比較的新しい建物が目立っている。
計画地はそのような街並みの中でもメインの通りに面した角地であることから、このエリアで特に存在感を発揮することができる立地特性を有している。
そのような立地に対して、明るさ・緑との相性・経年の味わいという３つのテーマにマッチする外装材として、石器質のタイルを選択した。
共同住宅のバルコニーに設置される隔て板をあえてコンクリート打放しの壁として、ファサードデザインの要素として取り入れている。また、接道部は積極的に緑化を試みることで、外装タイルを引き立てると共に、1階住戸のプライバシー保護の役割も担っている。
オーナー住戸の一つはメゾネット形式を採用し、階段を中心とした回遊動線におけるシークエンス変化による空間表現が試みられている。