SYFORME MORISHITAⅡ
説明
- 計画地周辺は、江戸元禄文化の象徴である赤穂浪士の吉良上野介邸や、幕末に活躍した勝海舟の生家、葛飾北斎生地等、江戸時代の歴史と文化を感じることができるエリアに位置している。計画地の地中からは江戸時代の護岸が発掘されている。
- 江戸の文化は職人の文化でもあり、さまざまな技法や新しい文化が職人達から生まれ、変化・発展してきた。
- その代表的な技法の中に、「組子」という技法がある。
- 組子それ自体は、木や釘を使わずに幾何学模様に組み合わせ、欄間や建具の装飾として用いられるひとつの技法であるが、その本質は、光や影を持って空間を作り出し、四季の移り変わりを感じる技と解することが出来る。
- 古くは飛鳥時代から、建築様式に取り入れられてきた組子であるが、組子の技法における、現代の模様の多くは江戸時代につくられた。
- 組子の代表的デザインは菱を基調とした「菱組子」と、縦・横の水平・垂直を基本とした「格子組子」に大別できる。
- 縦・横の水平・垂直を組み合わせ、光・影で空間をつくる。
- 「現代の格子組子」をモチーフとして、光と影の陰影を強調するデザイン。それが、今回のテーマとなっている。
- 外観のイメージを決定しているバルコニーの形態は、この格子組子から着想した。又、エントランス内にステンドグラスによる格子組を職人文化の表現として試み、エントランスに差し込む光の四季の移り変わりを感じることができる。